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希みが丘クリニック
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2017年11月30日 [心療内科・精神科]

発達障害と統合失調症

 発達障害と統合失調症は一見すると関係ないように思われています。ところが統合失調症の発病原因・背景として発達障害が密接に関係しています。しかし、精神科医でもそのことを知らない人も少なくありません。

 当方の医学部学生時代の精神科教科書にはクレッチマーの性格分類に分裂気質(非社交的、静か、生真面目、変人、控えめ等)の人が精神分裂病(統合失調症)を発病しやすいと書いてありました。これは現在でいう発達障害のことです。

 事実、統合失調症と発達障害の症状は驚くほど似ています。幻聴、被害妄想・念慮、対人関係の困難さ、コミュニケーション障害、こだわり、過敏と鈍感等共通しています。それで歴史的にずっと誤診されていた可能性があります、単純型の統合失調症はその可能性が大きいです。症状の重症度に大きな差があります、もちろん統合失調症が重度です。

 しかし、それも仕方ありません、発達障害概念の出現により最近20年間で精神医学がパラダイムシフトし、今までの常識が通用しなくなりました。それにまだ気づいていない精神科医もたくさんいます。

 発達障害のお子さんがいるご両親は特に注意してください、統合失調症は10代から30代で発病するケースが多いです。子供さんが学校に行かなくなった時、単なる不登校と考えないで一度受診することが必要です。精神科医による早期の薬物治療・介入により発病を防げる可能性があります。そうすれば今後統合失調症の患者数が減少すると思います。


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