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希みが丘クリニック
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2017年11月26日 [心療内科・精神科]

適応障害

 当院では、日頃の診療場面においても最も多いのが適応障害で、約50%です。就職、進学、人事異動が集中する4月から5月が一番要注意の時期です。環境変化に伴うストレス因子、その他のストレスにより、日常生活、仕事、学業等において障害が生じ、今までのような生活ができなくなるストレス性の障害です。

 しかしまだうつ病のレベルにはまだ達していないので早期発見・治療の効果が一番期待できるのも特徴です。 子供、思春期、成人を問わず様々な年齢で発病します。進学や就職、結婚、離婚、身内の死、失恋、転居、人事異動、経済的困窮、身体の病気など誰にでもいつでも起こりうる出来事がストレス因子になります。ストレス量が本人の処理能力を圧倒したことによる心理的な機能不全なので、本人の治療と並行して、原因となる環境の調整が必要となります。

 患者さんの状況により、休職、退職、休学、退学等を指示することもあります。本当は現状維持で治療することがベストと思いますが。 不安、ゆううつ、意欲の低下、焦燥、過敏、混乱、などの情緒的な症状のほか、不眠、食欲不振、全身倦怠感、易疲労感、ストレス性胃炎、頭痛、吐き気、発熱、めまいなどの身体的症状が自覚症状として出現します。身体的症状のみを訴える場合も多く、しかも身体的検査では確認できないため内科、脳外科、婦人科等では見過ごされることが多く、様々な医療機関受診後に来院されることも少なくありません。自律失調神経症とか更年期障害と診断されている方が多いようです。 

 小学・中学・高校生の不登校も実は適応障害が原因であることが多いですし、40歳以上の方が人事異動・再就職等で発病するケースも少なくありません。軽症のうつ病と区別がつきにくい、もしくは同じ症状が認められます。放置していると本当のうつ病になることも少なくなく、注意が必要です。 中等度以上のうつ病と異なり、少量の薬で改善しますし、環境調節、カウンセリングが有効と思われます。重症化する前にできるだけ早期に受診されることをおすすめします。 適応障害こそ本当の「心の風邪」であり、早期発見・治療が有効であり「うつ病」にならないようようにすることが大切です。



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