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2017年11月26日 [心療内科・精神科]

院長がパニック障害になった

 <院長がパニック障害になった> このブログは今まで三回に分けてブログ人に投稿した、自分自身のパニック障害の発病・経過をまとめて再投稿したものです。当院ではパニック障害の患者さんも多く参考にしてください。

 (第一話)平成18年5月投稿 自分自身(院長)の体験ですが、平成17年1月午後7時30分頃、九州自動車道の南関インターから鳥栖インターに向けて走行中今までに経験のない緊張感と恐怖感におそわれました。運転を投げ出したいのですがそれもできず、一人で「助けてくれ、死んでしまう。」と大声で叫び続けました。広川パーキングエリアで休憩しようと思ったのですが一度休むと3時間ぐらい動けなくなると考え、必死の思いでどうにか鳥栖インターまで運転し自宅に帰り着きました。それからすぐに寝たのですが脳卒中など脳に異変が絶対あると判断しましたので家族に「明日起きてこなかったら救急車を呼んで真っ先に脳を調べるように言ってくれ。」と伝言して就寝しました。幸い次の日の朝は普段の状態に戻っていましたが、その時パニック発作と気づきました。ある意味、日頃患者様といつも話していることを自分自身で体験できたのですから勉強になったとも思いますが、やっぱり大変なことです。もちろんそれから治療していますが1年間1日も休まず仕事を続けられています。この体験を日々の治療の中に生かすことができればと願っております。

 (第二話)平成18年6月投稿 平成17年1月高速道路上でパニック発作が出現した事はすでに御報告していましたがその後の経過を正直に申告します、パニック障害でお悩みの方に何がしかの参考になれば幸いです。 初回パニック発作が起きた後も、患者さんと同じように「なるべくなら薬は飲まないようにしよう。」との心理が働き服薬しませんでした。そうすると高速道路で運転すると緊張感が異常に高まり、気が遠くなる感覚が生じました。運転を投げ出したい気持ちが頭をよぎり、「交通事故が起きる、壁にぶつかる」などと恐怖感・不安感が大きくなりました。しかし状況分析すると自分の場合、調子が悪くなるのは夜に高速道路を運転する時に限定される事に気づきました。つまり昼間の高速道路や一般道は大丈夫なのです。それで高速道路を運転する時のみワイパックスという薬を飲むようにしたところ症状はほとんどなくなりました。しかし、平成17年7月宮崎自動車道で運転できない状態になりました。往路は調子良かったので復路は大丈夫だろうと思い服薬しなかったのです。宮崎自動車道は御存知かと思いますがやたらとトンネルが多いところです、いくつかのトンネルを通過したところでギブアップしました。やはり薬物療法の効果は大きいと実感しました。偶然飲み忘れた時もやはりうまく運転できません、スピードの出る自動車に乗っているのですが時速80kmも出せず軽四輪にどんどん追い抜かれてしまいました。 発作以外の慢性的な症状として易疲労性(疲れやすい)、血圧上昇、意欲の低下などが認められました。正直に申し上げますと、平成17年の秋頃は疲労感・意欲の低下が目立ち、新規の患者さんの受け入れを制限していました。また荒尾保養院に週に2日勤務していたのを1日に減らしたりもしました。そうして仕事量を減らす方向でコントロールし結果として1日たりとも希みが丘クリニックを休んでいません。 夜の高速道路を運転する前にワイパックスを1錠服薬するというパターンで乗り切っています。完治したとは言えないかも知れませんがこれで良いと思っています。平成18年になると疲労感も少なくなり、新規の患者さんも制限することなく対応できるようになりました。今はむしろ張り切っています。

 (第三話)平成20年3月投稿 「院長がパニック障害になった」シリーズ三回目の投稿です。同じ病気でお悩みの方に少しでも役立つことを期待して、その後の経過をご報告します 平成17年1月九州自動車道でパニック発作がおきてパニック障害を発病し、同年7月今度は宮崎自動車道のトンネルの中で大きな発作がありましたが、それ以降発作は全く起きていません。軽度の疲労感や意欲の低下はありますが、十分仕事と両立できています(会社勤務の方で換算すると週6日勤務、残業月60時間以上というペースです)。寛解状態(薬を服薬しながら安定した状態)に達して、一年以上経過していると判断しています。 現在服薬している薬はメイラックス 1mg 1錠のみです。この薬の良いところは(決して製薬会社の宣伝ではありませんが)一日一回の服薬で、一日中24時間効果が持続するところです。飲み忘れがあっても大丈夫で、すぐには影響が出ません。当院でもよく使用する薬ですが、担当医も服薬していると説明すると患者さんも安心して服薬できるようです。 

  寛解状態がある程度の期間持続すると、薬を減量していき最終的には治癒(服薬しなくても安定している状態)を目標とします。自分の場合は精神安定剤の他の効果を期待して例えば、イライラしない、血圧上昇防止のために服薬を続けています。妊娠・出産・授乳中以外は服薬しても問題になりませんし、副作用も少ないです、また長期間服薬しても安全な薬です。重症であればSSRI(うつ病の薬の一種)を使用しますが、精神安定剤だけでも十分効果があります。 もちろん、自分の場合はパニック障害の軽症例であり、すべての方が順調に経過するものではありません。中にはさらに悪化してうつ病になる場合も少なくなく、やはり早期発見早期治療が重要です。心身に負担をかけず無理しないという生活パターンも大切です。生活習慣を改めるということは実際は結構大変で、実現できないことも少なくないと思いますが。 無理をしないことを実践するために、平成20年4月1日より当院でも診療時間を少し短縮しますが、ご理解いただきたいと思っています。


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