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2017年11月26日 [心療内科・精神科]

AQ(自閉症スペクトラム指数)

 今回はAQ(自閉症スペクトラム指数)の紹介をいたします。 IQ(知能指数)についてはほとんどの方がご存じだと思いますし感覚的にも理解しやすいですね。EQ(感情指数)についてもだいぶ世間に浸透してきている言葉と思いますが、精神科医療においてこれからはAQの時代ではないかと思います。

 

 自閉症の典型例においては知的障害・言葉の発達の遅れを伴い、就学前に気づかれる事が多いのですが、そうした障害を伴わない軽度の自閉症(アスペルガー障害・高機能自閉症)はなかなか発見されず、学童期あるいはそれ以降において専門医の診断を受けて初めて判明します。つまり自閉症と健常者のグレーゾーンです。これが現在学校教育現場で重要となっている軽度発達障害(アスペルガー障害・高機能自閉症、ADHD、LD等)に含まれます。正確な診断は能力・時間・労力がかかりますので、精神科医の中でも一部の専門の先生にしかできません。

 

 自閉症スペクトラムとは、自閉症の典型例とアスペルガー障害・高機能自閉症、健常者が連続しており、量的な問題であることを意味します。以前このブログにおいても、全ての精神疾患は明確な差異はなく(例えば麻疹とインフルエンザのような関係ではなく)連続しており、偉い先生たちが集まって境界線を人工的に決めていると説明しましたが自閉症もその例外ではありません。

 

 実際の臨床場面で重要になるのは軽度発達障害よりさらに軽症例です、つまり健常者とアスペルガー障害・高機能自閉症の中間層です。以前このブログの中で勝手に命名した「プチ軽度発達障害」のことです。ここまでくると本人、親、兄弟、学校も気づかず成長します。正確な診断は手間がかかりますので、ほとんどの患者さんは自閉症の検査は受けていません。もちろん大きな問題もないのに、健康診断的に受ける必要もないと思いますが。

 

 思春期になって不登校、自傷行為、家庭内暴力、引きこもり、いじめ、自殺未遂などの問題が表面化して医療機関を受診します。そうした患者さんの中には心理テストを実施しないでもアスペルガー障害・高機能自閉症と判別できる例もありますが、判断に迷う場合も多く、自閉傾向の量的な把握の必要性を感じます。そうした問題の背景に自閉傾向が存在するという意識がなく、あくまで親子関係・養育環境によって説明しようとする精神科医も未だに少なくありません。

 

 思春期、成人期の患者さんの対応をする機会が多い一般精神科臨床医としては、健常者とアスペルガー障害・高機能自閉症との鑑別、健常者でもその人の持つ自閉傾向の量的把握が簡単にできる心理テストはないかと思っていました。世の中頭の良い人はいるものでそれにピッタリの心理テストがありました。それがAQ(自閉症スペクトラム指数)です。これがあると診断・治療上とても役立ちますね。もちろん当院でも実施可能です。この心理テストは妥当性、信頼性、効率性が十分にあるとのことです。しかし、確定診断するものではないことをご理解ください。

 

 前回のブログで心理テストは信用できないと言っておきながら、今回は逆に賞賛するなど当方のクルクル変わる言動をお許し下さい。自分自身プチ軽度発達障害ではないかと気になるところです。

 



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