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希みが丘クリニック
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2018年01月07日 [心療内科・精神科]

高齢者虐待

 虐待と言えば、子供に対する親による虐待をイメージされると思います。当院では児童相談所、警察と関係するケースはほとんどありません。

 高齢者虐待という概念も今では注目されています。患者さんではありませんが、恥ずかしながら自分の身内で経験しました。虐待に関係した人がすでに亡くなっていますので投稿します。

 当方の祖母が同居していた実の娘である叔母から虐待を受けていました。食事を与えない、糞便の処理をしない等の虐待で身体的虐待です。当時すでに私は精神科医で行政・警察に通報しなければならない立場でしたが、その時は父親が健在で仕切っていましたので何もしませんでした。祖母、叔母、父親すでに他界しています。

 高齢者虐待には身体的虐待の他、経済的虐待が多いかと思います。認知症になり、実の子供からの虐待がほとんどです。マスコミでは高齢者の悪徳業者によるオレオレ詐欺がたびたび報道されますが、実際は子供からの経済的搾取も少なくありません。

 ある方の母親が重度の認知症で施設に入所していましたが、実の子供による預金通帳・年金からの3300万円以上の横領が発覚し、現在裁判中というケースもあります。弁護士サイト等で調べましたが、同居の長男による虐待が最も多いようです、通帳や印鑑を勝手に使用できる状況だからです。ちなみに「親族相盗」により法律的には、夫婦、親子間等の横領は刑事罰とはなりません。身内からお金を盗られてもおとがめなしということです。

 超高齢化社会で、自分の処遇・財産を誰に託すかが大きな問題です。当方は成年後見人制度で母親の後見を弁護士に依頼しました。成年後見人制度では精神科医等の診断書が必要であり、医師とも関係が深い制度です。以前は費用と時間がかかる精神鑑定書が必要でしたが、現在は簡単な診断書で大丈夫です。


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