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精神科病院とクリニック
2017年11月25日 [心療内科・精神科]

    荒尾保養院に長年勤務し(現在でも毎週水曜日非常勤医師として外来と入院患者さんを受け持っています)、自分自身でも開業していますので精神科病院とクリニックのそれぞれの特長を理解しているつもりです。それで患者さんの立場に立ってどちらで治療すべきかを日々考えています。

 

 パニック障害など神経症のカテゴリーに診断される場合はクリニックで治療を受けられる方が適切かと思います。うつ病と診断される場合はクリニックで治療を受けることが多いのですが、自殺の可能性がある場合、食事が入らず心身ともに衰弱している場合は入院治療が必要になります。しかし、一部医療機関においては入院治療の必要性が乏しい軽症例の方にも入院をすすめる場合があるようで注意が必要です、疑問に思った場合は別の精神科医にセカンドオピニオンを求めてください。

 

 統合失調症(精神分裂病)と診断される場合は原則精神科病院で治療を受ける方がはるかにメリットのあることと判断します。必ずしも入院するというわけではなく、病院で外来治療を受けるということも選択肢として考えてください。病院では精神保健福祉士、作業療法士など、医師や看護師以外の専門職もいますし、障害者年金・生活保護の手続きのお世話など親身な治療を行っています。統合失調症の方も医療機関と良好な治療関係を保つ事で十分生活できます。もちろんそれ以外にいろんな精神疾患がありますし、その重症度も様々であり紋切り型の対応では不十分です。当院では初診時に病院とクリニックのどちらで治療を受けるべきか判断できますし、率直に説明しております。


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