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希みが丘クリニック
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2017年11月26日 [心療内科・精神科]

イジメと発達障害

 数十年前より学校でのイジメ問題がマスコミ等で度々話題になっています。 しかし、いつも学校、教育委員会でイジメ防止の検討・対策が実施されていますが結果的には効果がないみたいです。 当院ではすべての患者に対して、初診時にイジメの有無に関してチェックしています。イジメは学校だけではなく、夫婦関係、職場の人間関係、近所付き合い、PTA活動、親子関係、親族関係、クラブ活動、恋愛関係、師弟関係等ほとんどすべての人間関係で存在します。

 これは精神疾患のレベルではなく人間性の問題と考えます。 ここまでくるとイジメ問題ではなく、人間性の哲学的問題と思います。傍観者は批判されていますが実は普通の人と考えます。これは国民性、民族性による違いも大きいかと思います、残念ながら現在の日本人の標準は傍観者です。 日頃の臨床経験から考えると、いじめっ子・いじめられっ子ともに発達障害の傾向が認められることがあります。他者に対する攻撃性の強弱でその立場が異なります。それで、いじめられっ子がいじめっ子に変化することもあります。

 発達障害に対する医学的に正確な診断・治療法がありませんので、効果的な医学的対応は乏しいです。それで今後ともイジメ問題は続きます。だから医学的な解決より、教育的・法律的な対応が重要となります。しかし、これは今までの心理学に基づく教育・司法の対応をかなり否定することになりますので、現実的には大幅な変更は困難です。少年犯罪や子供の自殺にも今までとは異なる解釈が出てきます。

 発達障害はすべての精神疾患、社会問題に大きく関係しています。発達障害の人は明らかに精神疾患を発病する確率が高いです、うつ病、躁うつ病、統合失調症、人格障害に対してハイリスクです。それでいて軽症例ではむしろプラス面も多く、社会で成功している方も少なくなく、政治家、芸術家、芸能人、精神科医、臨床心理士等には多いかと思います。 そう言う私自身も軽度発達障害です。  


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