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2017年11月26日 [心療内科・精神科]

朝青龍と精神疾患

 横綱朝青龍の病気について連日報道されていますが、一般の方は混乱しているでしょうね。何人かの精神科医が診察して「急性ストレス障害」、「解離性障害」、「うつ病一歩手前」などとクルクル変わりますから。よく凶悪殺人事件などの裁判で日本を代表するような精神科医の鑑定結果がすべてバラバラというのと同じパターンですね。すべての精神疾患に明確な境界がなくグレーゾーンばかりと、以前よりこのブログで主張してきましたが今回の場合も該当するかと思います。

 

 報道の範囲内の情報しか知りませんが、朝青龍が夏巡業をさぼり、それがバレて相撲協会から処分を受け、そのことのショックで心の病になったというのであれば、彼は相撲は強いが精神的にはとても脆弱な人となります。もちろん報道されていない重大な原因があれば別の話ですが。外傷で長期離脱を余儀なくされた野球の松井選手や桑田選手は精神疾患になりましたか、悪いことをして停学処分を受けた子供がみんな病気になりますかね、ならないと思いますよ。彼が受けた精神的ショックをトラウマと呼ぶのが妥当か疑問ありですね。診察時まともに返事もできないとのことでしたが、精神科医でも演技をされたら短い診察だけではわかりませんよ、騙されます。「詐病」(仮病のことですが)の線も捨て切れないですね。もちろん嘘からでたまことで、本当に病気になる可能性も多分にありますが。

 

 最初のつまづきは整形外科医による診断書で、それが事実を反映していたかどうかです。かつてこのブログでも「診断書」について書きましたが、よく患者さんに「こういう風に書いて欲しい」と頼まれることがたびたびあります。親しい患者さんであればなかなか断りにくいのですが、適当に書くと結局は今回のような結果になります。

 

 しかし、更なる精神科医の診断書で結果的にモンゴルに帰国するとなれば、これからも医者の診断書を利用して、苦境脱出を試みる人は後を絶たないと思います。政治家や公務員なんかに多いですよね。



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