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2017年11月25日 [心療内科・精神科]

心理テスト

 普段は勉強嫌いのため本は読まないほうなのですが、久しぶりに読書して勉強しました。Amazonを利用して本を購入したわけですが、目からうろこがとれる思いでした。その著者は自分とは違い国立大学教授の立派な先生です。その方は心理学が専門ですが、統計学、数学、コンピューター、プログラミング等にも造詣が深くスーパーマンのような印象を受けました。著作も多く、ロールシャッハテストのコンピューターを利用した自動解析システムまで日本で最初に作った先生です。

 

 その先生の著作によると、今まで疑いもなく正しいとされていた有名な心理テストの中にはほとんど信用できないものも少なくないとのことでした。それらの心理テストは司法、教育、行政、企業の採用人事など日本中で使用されていますから事は重大です。また、心理テストだけでなく、現在日本での心理学・精神医学の状況が明確に批判されていました。よくもここまで実名をあげて批判できるものかと驚くばかりです。

 

 日本の臨床心理学・精神医学ではフロイトの流れをくむ精神分析学・力動精神医学が大きな力を持っており(1950年代アメリカで流行したそうですが)、一町医者では反論できない雰囲気を感じており、自分としても今までささやかな抵抗をしてきたつもりです。確かに、実際の診療場面においては従来の精神医学・心理学の常識、心のケア、トラウマ、養育環境原因論等では説明がつかず、困惑している臨床の先生方も少なくないと思います。例えば児童相談所の対応が不適切で子供が犠牲になったというようなマスコミ報道が毎日のようにありますが、その背景にあるのは力動精神医学の限界によるものだと思います。それを明確に反論できないために常識的な精神科医も沈黙せざるを得なかったと思いますが、そういう先生方がむしろ誠実で、患者さんの治療には多大な貢献をされていると思います。

 

 今回の読書・勉強の結果を考慮して当院ではロールシャッハテスト、バウムテスト、TAT等の心理テストは実施しない事にしました。統計学的に検証するとそれらの心理テストの信頼性・妥当性に大きな欠陥があるとのことでした。占いや霊能者、民間療法と同じレベルだそうです。証拠(エビデンス)に基づく合理的な医療が世界標準です。

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